どの企業にとっても自社ブランドが消費者にどのように評価されているかは、とても気になるところです。

優位性を保ち、かつ、効果的にブランドを構築することができれば、顧客からの指名買いも増え、事業の拡大もより一層見込めるでしょう。

そのためには緻密なブランド戦略が欠かせません。

今回はブランド戦略を立案するためのフレームワークを分かりやすく説明します。

ブランド戦略とは?

ブランド戦略とは「ブランド価値を高めるために企業や組織が行う目的を達成するための計画における過程」を指します。

前置きとして、ブランド価値の定義は、「顧客の商品やサービスの購入or使用及びエンゲージメントに対してポジティブな影響またはイメージを与える(抱かせる)ような顧客側のブランドに対する認識のこと」です。

ブランド価値が高まると「○○を買うならあの○○」と自社商品を選択してもらえるようになります。

顧客は競合商品に乗り換えることも少なくなり、リピート購入も期待できるでしょう。

また、顧客がファン化すると多少の価格差は気にならなくなり、競合商品より高くても購入してもらえるようになります。

他のコーヒーSHOPよりも比較的高価であっても、ついついスターバックスコーヒーに入ってしまう人が多いのもそのためです。

ブランド戦略によってブランド価値を高めることで、価格競争に飲み込まれるリスクを大きく減らすことができるため収益アップにもつながります。

ブランド戦略立案のためのSTEP

売り上げ増加・収益増加につながるブランディングを行うためには、どのように戦略やプランニングをしてブランドマネジメントを行えばよいのでしょうか。

とある研究事例を調べてみると、経営者が企業をどのような価値を保持し提供を実現するかという「ビジョン」従業員が自社のアイデンティティおよび特報をどのように捉えているか「カルチャー」顧客がどのように評価しているかを示す「イメージ」の3つを一貫させることがブランド戦略では重要だとされています。

この3つを一貫させたブランド戦略を立案するためには、以下をを踏まえることが重要です。

  • 目的・目標と戦略の設定
  • 企業ブランドの構成要素の決定
  • コミュニケーション戦略の実行
  • ブランド評価の確認
  • 目標(目的)と戦略の設定

    まず、何のためにブランドを構築するのか、ブランド価値を高めるか、その目的を明確にしなければなりません。

    また、その際には社内向けと社外向けを分けて考える必要があります。

    社内向けとしては、従業員の自社へのロイヤルティを高める、仕事への意欲を高める、企業文化を強化・変更するなどの目的・目標設定が考えられるでしょう。

    社外向けとしては、自社の商品を購入してくれる顧客や消費者はもちろん、株主や取引先、金融機関、地域住民なども意識した目的・目標設定が必要になります。

    また、学生や社会人に対するリクルーティングの強化、社会における知名度の向上なども踏まえて検討することが大切です。

    企業ブランド強化の目的が設定されたら、その目的を効率的かつ効果的に達成するための戦略が必要になります。

    この戦略を策定するためには、自社のどの資源を活用できるか、どのような手法が必要で、どのメディアを用いるか、いつまでにやるかを考えることが重要です。

    企業ブランドの構成要素の決定

    2つめのステップが「企業ブランドの構成要素の決定」です。

    (1)
    どのような価値観に基づいて行動しているかを示す「価値」
    (2)
    どのような経験を顧客やステークホルダーに与えるかという「経験」
    (3)
    トップはどのような企業にしたいと考えているかを表す「ビジョン」
    (4)
    企業文化である「カルチャー」
    (5)
    どのような企業としてみられたいかの「イメージ」

    また、以下も大切な構成ようそです。
    「戦略的意図」、「信頼」、「能力」、「社会的責任」、「アイデンティティ」「行動」

    これらの要素について、現状を確認するとともに最終的にあるべき姿を定義することが必要です。

    ブランド戦略を立案する際には、要素ごとの根拠を探ることがポイントになります。

    また、その際には過去にさかのぼって企業の歴史や実績を調査し、実際にどのようなことがあったのかを確認することも大切です。

    コミュニケーション戦略の実行

    3つめのステップが「コミュニケーション戦略の実行」です。

    コミュニケーション戦略の実行方法は、ブランドのどの価値を高めたいかによっても違ってきます。

    たとえば、ブランド認知を広めたい場合は、広告やイベントを行いブランドと顧客のタッチポイントを増やす、試供品などを配布して実際に使用してもらうなどの施策が考えられるでしょう。

    また、消費者がブランドから感じ取る「品質」を向上させたいのであれば、技術面での優位性を前面に押し出していくなどの方法が考えられます。

    このようにコミュニケーション戦略を実行する際には、ブランド構築の目的と照らし合わせることが重要です。