サイテーションの定義と概要

サイテーション(Citation)とは、ビジネスの基本情報が、自社のウェブサイト以外のオンラインプラットフォームに掲載されることを指します。
具体的には、以下の情報が含まれます

  • ビジネス名
  • 住所
  • 電話番号
  • ウェブサイトURL(場合によっては)

サイテーションの重要性

サイテーションが重要である理由以下のどおりです。

  • 検索エンジンの信頼性評価
  • Google等の検索エンジンは、様々なソースからビジネス情報を収集し、その一貫性と正確性を評価します。

    多くの信頼できるサイトで同じ情報が掲載されていれば、そのビジネスの存在と信頼性が確認されたと見なされます。

  • ローカル検索結果の向上
  • 地域に特化した検索クエリ(例:「近くのカフェ」)に対して、サイテーションの質と量は重要な順位付け要因となります。

  • ブランド認知度の向上
  • 様々なプラットフォームにビジネス情報が掲載されることで、潜在的な顧客がそのビジネスを見つける機会が増えます。

  • ウェブサイト以外の接点創出
  • 全ての顧客がウェブサイトを通じてビジネスを見つけるわけではありません。

    ディレクトリサイトやソーシャルメディアプラットフォームなど、多様な接点を持つことが重要です。

    サイテーションの獲得方法

    効果的にサイテーションを獲得するための方法をいくつか紹介します。

    ローカル系ディレクトへの登録

  • Googleビジネスプロフィール
  • Googleビジネスプロフィールに登録することで、自社の店舗情報を記載できます。

    Googleやマップなどで検索された際、ビジネスプロフィールに掲載された内容が表示されるため、詳細に記載しておくことが大切です。

    実店舗を持っていない企業でも活用でき、検索ユーザーにサービスや事業内容を知ってもらえます。

    ユーザーにアピールするためにも、ビジネスプロフィールの定期的な更新を心がけましょう。

  • 地域系登録サイト/業種別登録サイト
  • 掲載・登録などに一定に基準を設けておらず、どの企業でも登録できるようなサイトは探せは見つかることでしょう。

    できれば、行政や大手企業が登録する規模のあるサイトであればあるほど信頼性が高く好ましいです。

    オウンドメディアやSNS運用

    オウンドメディアを運用したり、公式SNSで発信したりすることで、サイテーションを獲得しやすくなります。

    メディアで発信したお役立ち情報が拡散されれば認知度の向上につながり、言及される機会が増えるのです。

    オウンドメディアで記事を公開したらSNSで発信を行うといったように、両方を活用していくのもおすすめです。

    その際、ブランド名や社名についても自然に明記しておくことで、認知度の向上につながります。

    自社の信頼と実績を積み上げる

    これまで紹介してきたように、サイテーションの獲得には自社の情報について露出を増やすことが大切です。

    しかし、ユーザーに言及してもらうためには、商品やサービスに対する満足度を向上させる努力や、注目してもらうための工夫が必要となります。

    信頼や実績があれば、自然とサイテーションの獲得につながるでしょう。

    サイテーションと被リンクの違い

    前述したとおり、サイテーションは、リンクではなく企業名やサイト名など、自社について言及・引用されることです。

    一方で被リンクとは、外部サイトに自社サイトのリンクが掲載されることを指します。

    つまり、サイテーションと被リンクの施策の主な違いは、「リンク掲載の有無」や「言及の有無」にあります。

    例えば、外部サイトで自社の名前について言及されればサイテーションになりますが、リンクが掲載されなければ被リンクにはなりません。

    一方で、外部サイトで自社に関する言及はされずリンクだけが掲載された場合は、被リンクだけ獲得できます。

    このように明確な違いがあるため、覚えておきましょう。

    サイテーションがSEOに及ぼす効果

    ご存知のとおり、被リンクは検索順位を決める上での重要な要素の1つです。

    質の高い被リンクを獲得するほど、SEO評価は向上し、検索順位も上がりやすくなります。

    ではサイテーションは、SEO対策でどのような効果があるのでしょうか。

    サイテーションはSEOではなく「MEO(Map Engine Optimization)」という、Googleマップ検索やローカル検索における上位表示に大きく関わってきます。

    例えば、「原宿 ランチ」と検索すると、検索結果の上部に検索したキーワードに関する「店舗情報」や「マップ」が表示されますが、それらがMEOに該当します。

    ちなみにMEOは、通称ローカルSEOとも呼ばれ、店舗・サロンが強化すべきマーケティング施策の1つです。

    MEOでは、お店の知名度が大きく検索順位に関わっているため、有名チェーン店やSNS上で人気があるお店ほど上位表示しやすくなります。

    Googleが公式として以下のように言及されています。

    ローカル検索結果では、主に関連性、距離、知名度などの要素を組み合わせて最適な検索結果が表示されます。

    たとえば、遠い場所にあるビジネスでも、Google のアルゴリズムに基づいて、近くのビジネスより検索内容に合致していると判断された場合は、上位に表示される場合があります。

    つまり、サイテーションによって店舗名や口コミが広がれば、MEOに大きく影響してくるというわけです。

    このように、サイテーションはMEOに大きな影響を及ぼしますが、SEOにも効果がないわけではありません。

    サイテーションを獲得することで、商品名やブランド名が広がれば、信頼性の向上につながります。

    どちらか言えば、SEOよりもMEOに効果があるということだけ認識しておきましょう。

    サイテーションの注意点

    サイテーションにも注意点はあります。

    それは、ネガティブなサイテーションを獲得してしまった場合です。サイテーションとはいえど、ネガティブな要素は自社の商品やブランドに悪影響を与えます。

    また最悪の場合は、サイテーションがSEOにも悪影響を及ぼしてしまい、せっかく上げた検索順位が下がってしまうこともあり得るでしょう。

    特にSNSでネガティブなサイテーションが広まった場合は、一気に拡散してしまう恐れがあります。

    そのような事態になってしまっては、完全にサイテーションを削除するのは非常に難しいと言えるでしょう。

    そのような事態を防ぐためにも、サイト運営者はネガティブなサイテーションが発生した場合の対処法を知っておかなければいけません。

    次の章では、ネガティブなサイテーションを獲得してしまった場合の具体的な対処法を解説します。

    サイテーションされているかを調べる方法

    最後に自身のサイトがどれくらいサイテーションされているか確認する方法を3つ紹介します。

  • Yahoo!リアルタイムでSNSでの言及数を調べる
  • 指名検索されているかサーチコンソールで確認
  • ドメイン指定し自サイトを除外して検索(“●●●” -site:●●●.com/)
  • まとめ

    サイテーションの種類のほか、サイテーションの獲得方法、獲得内容のの調べ方などについて紹介しました。

    サイテーションを獲得すると、ローカルSEOの効果が期待できるだけではなく「自社商品・サービスの認知度が向上する」「自社への信頼性が高まる」などのメリットがあります。

    ここで紹介した方法を実践することでサイテーションを獲得し、SEOにつなげましょう。