「ペルソナとかペルソナマーケティングっていう言葉を耳にしたことはありませんか?」
ペルソナマーケティングは、大企業をはじめとして、多くの成功企業で使われている王道のマーケティング手法です。
マーケティングの勉強会やセミナーなどに参加した際には、初期に登場するようなベースとなる内容です。
目次
ペルソナとは?
ペルソナを簡単に説明すると、実際に自社の商品やサービスを使ってくれるであろうモデルユーザー(ペルソナ)を作り出し、そのユーザーのニーズを満たすような形で商品やサービスを設計するというマーケティング手法です。
モデルユーザー(ペルソナ)が具体的イメージされ、モデルユーザーが満足するように商品やサービスの設計を行うペルソナでは、自ずと商品やサービスが特徴ある魅力的なものになってきてきます。
モデルユーザーとはつまり、一人の架空の人物を想定し、そのプロフィール、行動、価値観、ライフスタイルに至るまでかなり詳細に設定していきます。
これまでマーケティング担当者の間では、戦略としてターゲットは絞り込むものの、たとえば「40歳の主婦層のエイジングケアのための化粧品」「午前にTVがゆっくり視聴できる主婦向けの健康食品」など、ターゲットを“層”として捉えることが通例でした。
しかし、インターネットの進化も伴って、よりターゲットを絞ることで有効なアプローチがかけられる時代になり、もっとその人の行動や性格、価値観等まで含んだ具体的なターゲット設定が必要になり、マーケティング担当者の間でペルソナ設定の有効性に注目が集まり出したのです。
ペルソナを作る2つの主なメリット
ユーザーファーストが実現
たとえば上述した「午前にTVがゆっくり視聴できる主婦」に「健康食品」を売りたいとしても、その主婦の一日の時間の使い方や子供の有無、趣味や価値観によって「どんな悩みや体調の不安があって何を栄養素として補いたいか」は大きく異なってきます。
ターゲットとなるユーザーを詳細に人物像として設定してしまうことで、その人の境遇や状況、心境などを具体的にイメージすることができ、その売り方や商品の開発に工夫を凝らすことが可能になるのです。
プロジェクトメンバー間で、ターゲット人物像の認識を統一
一言で「午前にTVがゆっくり視聴できる主婦」「40代OL」などの設定があったとしても、どうしても各個人がそれぞれの経験や知り得る知識に基づいた想像が優先されてしまい、各人間での認識にズレが生じてしまいます。
全員の共通の知人のような感覚で、ペルソナを作成・設定しておくことで、そのズレを防ぐことが出来るでしょう。
【ペルソナ必須の10項目例】
①基本情報(年齢、性別、居住地など)
②職業(大学・学部、業種・役職、最終学歴)
③生活パターン(起床時間、通勤時間、勤務時間、就寝時間、外食派or自炊派、休日の過ごし方)
④性格(価値観、物の考え方)、生活での実感(困っていること、興味があること)
⑤人間関係(恋人・配偶者・子供の有無、家族構成)
⑥収入、貯蓄性向
⑦趣味や興味(インドア派orアウトドア派、友人間での流行等)
⑧インターネット利用状況・利用時間
⑨所持しているデバイス
⑩流行への感度
これらの項目を設定していくと、架空の人物の基本情報からライフスタイル、価値観や行動パターンが見えてきます。
BtoBのペルソナ設定
BtoCと同様、BtoBのマーケティングにおいてもペルソナ設定は重要です。
ただ、BtoCとBtoBでは製品・サービスの購買プロセスが異なるため、BtoCと同じ方法でペルソナ設定を行っても期待できないケースがあります。
BtoCにおけるペルソナ設定では、趣味や家族構成といったプライベートやライフステージを中心に設定していきますが、BtoBではそれに加えて、勤務先企業での情報が必要になってきます。
一例としては、役職や所属部署、勤続年数といった基本情報に加え、業務上の責務や目標、抱えている課題などが必要です。
また、所属企業の大きさや社会的な地位の有無、業界のポジショニングなども重要です。
業種や事業内容、社員数、資本金、売上高、経営方針、決算期といった項目です。
BtoBの購買プロセスでは、購買申請者、中間担当、決裁者といった複数の人物が購買決定に関わってくるため、その人数分のペルソナ設定を行う必要があります。