生成AIを使ってホームページを自分で作ろうとした方、既存のサイトを生成AIの力を借りて更新しようとした方は、ここ数年で一気に増えました。ChatGPTやClaude、Geminiといった生成AIに「こんなサイトを作って」「このページをこう直して」と指示するだけで、ある程度の形になるコードやデザインが返ってくる時代です。時間をかけずに自分でサイトを持てる、更新できる――その手軽さは大きな魅力です。
一方で、「指示通りにいかなかった」「途中から何をどう直しても元に戻らなくなった」「気づいたらサイトの一部が表示されなくなっていた」という声も、同じくらいの頻度で聞かれるようになりました。生成AIは便利な反面、何が起きているのかを自分で正確に把握できないまま作業を進めてしまうと、気づいたときには収拾がつかない状態になっていることがあります。
この記事では、生成AIを使ったサイト制作・更新がうまくいかなかったときに、まず自分で確認しておきたいポイントをチェックリスト形式で整理しました。「誰に相談すればいいのかも分からない」という方のために、状況の切り分け方と、専門家に依頼すべきタイミングの目安もまとめています。心当たりのある項目に、ひとつずつ確認しながら読み進めてみてください。

こんなお悩みはありませんか?
まずは、よくある状況をいくつか挙げてみます。ひとつでも当てはまる場合は、このあとのチェックリストを順番に確認してみてください。
- 生成AIに指示を出して編集してもらったら、サイトのレイアウトが崩れてしまった
- それまで表示されていた画像が、急に表示されなくなった
- 更新したはずの内容が、実際のページには反映されていない
- パソコンでは問題なく見えるのに、スマートフォンで見ると表示が崩れている
- 見たことのないエラーメッセージが表示されて、何が起きているのか分からない
- 生成AIに「直してほしい」と伝えても、同じ問題が解決しない、あるいは別の不具合が増えてしまう
- 気づいたら、作業を始める前の状態に戻すこともできなくなっていた
- 公開しているページの一部が、文字も画像もない真っ白な状態になっている
- お問い合わせフォームや予約フォームからの送信が、うまく機能していない
- 自分がどこまで・どの部分を変更したのか、もう正確には把握できていない
こうした状態は、特別な知識がない方が生成AIだけを頼りにサイト制作・更新を進めた場合に、珍しくなく起こります。ご自身だけの問題ではありませんので、まずは落ち着いて現状を整理していきましょう。
なぜ、生成AIだけで進めるとこうした問題が起きやすいのか
生成AIが悪いわけではありません。ただ、生成AIの仕組みそのものに、サイト運用と組み合わせたときに注意が必要な特徴がいくつかあります。
ひとつは、生成AIが一度に把握できる情報の範囲には限りがある、という点です。サイト全体の構成やこれまでの変更履歴をすべて理解した上で指示に応えているわけではなく、そのときに渡された情報だけを手がかりに回答を作っています。そのため、ページの一部分だけを直してもらったつもりが、見えていない他の部分との整合性が崩れてしまうことがあります。
もうひとつは、同じ指示を出しても、毎回まったく同じ結果が返ってくるとは限らないという点です。「さっきと同じようにお願い」と伝えても、内部的には少しずつ違う修正が加えられることがあり、気づかないうちに複数のバージョンが入り混じった状態になってしまうことがあります。
さらに、生成AIは「指示された通りに変更する」ことには長けていますが、「その変更によって他の部分に影響が出ないか」を人間のように総合的に確認してくれるわけではありません。表示の確認やバックアップの取得、変更内容の記録といった作業は、基本的に利用者側が自分で行う必要があります。この役割分担を意識せずに作業を進めてしまうと、気づいたときには収拾がつかない状態になりやすいのです。
まず確認したい10のチェックポイント
ここからは、状況を整理するための10のチェックポイントを順番にご紹介します。すべてに自信を持って「はい」と答えられなくても構いません。「分からない」という項目がどこにあるかを把握すること自体が、次の一歩を考えるうえで重要です。
チェック1:作業前のバックアップは残っていますか?
サイトやページのファイル、データベースを、作業を始める前の状態でバックアップしてあるかどうかは、最初に確認したい点です。レンタルサーバーやWordPressの管理画面には、自動バックアップ機能が用意されている場合があります。バックアップが残っていれば、最悪の場合でも元の状態に戻せる可能性が高くなります。逆に、バックアップが一切ない状態で何度も上書き修正を繰り返していると、元に戻すための手がかりがなくなってしまいます。
チェック2:変更前の状態を、画面の記録として残していますか?
バックアップファイルがなくても、変更前のページをスクリーンショットで撮っていたり、以前のデザインを覚えていたりすれば、どこまで修正すればよいかの目安になります。「前はどんな見た目だったか」を言葉や画像で説明できるかどうかを確認してください。
チェック3:表示されたエラーメッセージの内容を記録していますか?
エラーメッセージは、原因を特定するための重要な手がかりです。表示された瞬間にスクリーンショットを撮る、あるいはメッセージの文面をそのままメモしておくことをおすすめします。エラーメッセージを消してしまったり、その後の操作で別のエラーに変わってしまったりすると、原因の特定が難しくなります。
チェック4:サイトの管理画面にログインできますか?
WordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を使っている場合、管理画面(ダッシュボード)にログインできるかどうかは非常に重要な分岐点です。管理画面にログインできるのであれば、サイト内部からの対応や原因調査がしやすくなります。一方、管理画面自体が真っ白になってログインできない、パスワードを変更されてログインできなくなっている、といった場合は、より優先度の高い対応が必要になります。
チェック5:サーバーやドメインの契約情報は手元にありますか?
サイトがどのレンタルサーバーで動いているか、ドメイン(URL)はどこで契約しているか、契約者情報や管理画面へのログイン情報を把握できているかを確認してください。これらの情報が分からないと、サーバー会社への問い合わせや、専門家への相談をする際にも、状況の確認に時間がかかってしまいます。
チェック6:どの部分を生成AIに編集させたか、特定できますか?
トップページ全体なのか、特定の1ページだけなのか、デザインのCSS部分なのか、それともシステムの裏側のプログラムなのか。生成AIに依頼した範囲を具体的に説明できると、問題が起きた箇所を絞り込みやすくなります。「全部お願いしていたので、どこを触ったか分からない」という場合も、それ自体が現状として把握すべき情報です。
チェック7:表示崩れは、パソコンとスマートフォンの両方で確認しましたか?
パソコンの画面では正常に見えても、スマートフォンで見ると大きく崩れている、ということはよくあります。逆のケースもあります。どちらの環境で、どのページに問題が出ているかを分けて確認すると、原因を切り分けやすくなります。
チェック8:検索結果での表示(SEO)に影響が出ていませんか?
Googleなどの検索結果に表示されるタイトルや説明文が急におかしくなっていないか、これまで表示されていたページが検索結果から消えていないかも、できる範囲で確認しておきたいポイントです。生成AIによる修正作業の中で、意図せずページの設定が書き換わってしまうことがあります。
チェック9:お問い合わせや購入など、重要な機能は動作していますか?
見た目の崩れよりも優先して確認したいのが、お問い合わせフォーム・予約フォーム・決済機能など、ビジネス上欠かせない機能が正常に動いているかどうかです。見た目の問題は後回しにできても、こうした機能の不具合はお客様からの連絡が届かない、売上に直結するなど、実害につながりやすいためです。
チェック10:今後も自分で修正を続ける予定ですか、それとも誰かに相談する予定ですか?
最後に、このあとどう進めたいかという方針そのものを確認してください。「自分でもう少し試したい」のか、「これ以上は不安なので誰かに見てもらいたい」のか。どちらが正解ということはありませんが、方針が定まっていないまま場当たり的に手を加え続けると、状況がさらに複雑になりやすい点には注意が必要です。

チェックの結果からわかる、おおまかな傾向
10項目を確認してみると、ご自身の状況がどのあたりに位置するか、ある程度の傾向が見えてきます。
バックアップが残っており、管理画面にもログインできる状態であれば、落ち着いて原因を調べる余地があります。表示が崩れているページを特定し、変更履歴をたどることで、自分で解決できる場合も少なくありません。
一方で、バックアップがなく、どこを変更したかも分からず、エラーメッセージの記録も残っていない場合は、原因の特定そのものに時間がかかります。この状態でさらに生成AIに「直して」と繰り返し依頼すると、別の変更が上書きされて状況がより複雑になることがあります。
また、管理画面にログインできない、お問い合わせフォームが機能していないなど、ビジネスに直接影響する項目に当てはまる場合は、見た目の修正より先に、機能面の復旧を優先する必要があります。
症状をタイプ別に分けてみると、対応の優先順位がより分かりやすくなります。
レイアウト崩れ型
文字の配置や余白、デザインの崩れが中心のタイプです。見た目の印象は損なわれますが、お問い合わせや購入といった機能自体は動いていることが多く、比較的落ち着いて対応できるケースです。どのページで、どの端末で崩れているかを整理しておくと、修正範囲を絞り込みやすくなります。
表示されない型
ページの一部、あるいは全体が真っ白になる、画像が表示されないなど、「あるはずのものが表示されない」タイプです。設定の記述ミスや、ファイルの参照先がずれてしまったことなどが背景にある場合が多く、見た目以上に根本的な原因が隠れていることがあります。
機能停止型
お問い合わせフォーム、予約フォーム、検索機能、ログイン機能など、「動くはずのものが動かない」タイプです。見た目には大きな変化がなくても、ビジネスへの影響が最も大きくなりやすいタイプのため、他のタイプより優先して確認・対応したい症状です。
SEO影響型
検索結果への表示が変わってしまった、これまで出ていたページが見当たらなくなった、というタイプです。すぐに大きな実害が出るわけではありませんが、時間が経つほど検索からのアクセスが減ってしまう可能性があるため、早めに現状を確認しておきたい症状です。
いずれのタイプに近いかを把握しておくと、専門家に相談する際にも状況を伝えやすくなります。
《 状況を悪化させやすいNG行動 》
焦っているときほど、よかれと思って行った対応が状況を悪化させてしまうことがあります。次のような行動には注意してください。
- 原因が分からないまま、同じ指示を生成AIに繰り返し出し続ける
- 複数の生成AIツールを同時に使い、互換性のない修正を次々と上書きする
- バックアップを取らずに「とりあえず戻してみる」を何度も繰り返す
- 管理画面のパスワードを、原因を確認せずに何度も変更する
- 状況を悪いと感じて、サーバーやドメインの契約そのものを慌てて解約してしまう
- 詳しい人に相談する前に、表示されたコードを見た目だけで判断して大きく書き換える
特に、バックアップのない状態で試行錯誤を繰り返すことと、契約そのものを解約してしまうことの2点は、あとから専門家が調査・復旧しようとする際にも手がかりを失わせてしまうため、できるだけ避けていただきたい行動です。

自分でできる範囲の対処法
専門家に相談する前に、ご自身でできる範囲の対応もあります。
- 現在のサイトの状態を、主要なページだけでもスクリーンショットで記録しておく
- 管理画面にログインできるかどうかを、落ち着いて再確認する
- 利用しているレンタルサーバーやCMSに、自動バックアップ機能が用意されていないか管理画面内を確認する
- サーバー会社のサポート窓口に、バックアップからの復元が可能かどうかを問い合わせる
- 生成AIに依頼した際のやり取り(プロンプトの履歴)が残っていれば、どんな指示を出したかを振り返ってメモしておく
これらの対応だけで元の状態に戻せる場合もありますので、焦って大きな操作をする前に、まずは現状の記録と可能性の確認から始めてみてください。
こんな場合は、専門家への相談をおすすめします
次のような状態に当てはまる場合は、ご自身だけで対応を続けるよりも、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
- サイトの管理画面そのものにログインできない
- どこを・どう変更したのか、自分でも説明できない状態になっている
- お問い合わせや予約、決済など、ビジネスに直結する機能が動いていない
- 自分で修正を試みた結果、以前より状況が悪化してしまった
- サイトが公開されたままの状態で、お客様から「表示が見れない」といった連絡が来ている
- どこから手をつければいいのか、方針そのものが分からなくなっている
これらに当てはまる場合、時間が経つほど状況の切り分けが難しくなったり、お客様対応への影響が大きくなったりする可能性があります。早い段階で第三者に現状を見てもらうことで、対応の方向性を整理しやすくなります。
相談前にご準備いただくと、やり取りがスムーズになるもの
専門家に相談する際、次のような情報を手元に用意しておくと、現状の確認がスピーディーに進みます。すべて揃っていなくても構いませんので、分かる範囲で結構です。
- 問題が起きているページのURL
- 表示崩れやエラーが確認できる画面のスクリーンショット
- 利用しているレンタルサーバー名・CMS(WordPressなど)の名称
- 生成AIにどのような指示を出したか、覚えている範囲のメモ
- 問題に気づいた時期や、きっかけとなった作業内容
- バックアップの有無と、取得している場合はその方法
これらの情報があると、初回のご相談の時点で状況をある程度把握でき、その後の対応方針を決めるまでの時間を短縮できます。反対に、何も分からない・何も残っていないという状態でも、ご相談いただくこと自体は可能です。その場合は、こちらから一つずつ確認させていただきます。
マザーハンズができるサポート
マザーハンズでは、ホームページの制作・更新に関するご相談を幅広くお受けしています。生成AIを使った制作・更新がうまくいかなかったケースについても、まずは現状を確認したうえで、次のような対応をご提案しています。
- 現在のサイトの状態を確認し、何が起きているのかを整理する「現状診断」
- 管理画面やサーバーの状況を確認し、復旧できる範囲とできない範囲を切り分ける対応
- 表示崩れや機能不具合など、優先度の高い箇所から順に修正していく対応
- 今後同じような問題が起きにくいよう、更新方法や管理体制を見直すご提案
生成AIの利用自体を否定するものではありません。生成AIをうまく活用しながらも、重要な部分は人の目で確認できる体制を整えることで、安心して運用を続けられるようにお手伝いしています。
ご相談いただいた際の流れは、おおむね次のようになります。
ステップ1:ヒアリング
まずは、どのような経緯で生成AIを使われたか、現在どのような状態になっているかを伺います。この記事のチェックリストに沿って状況を整理していただいていると、ヒアリングがスムーズに進みます。
ステップ2:現状診断
管理画面やサーバーの状況、バックアップの有無などを実際に確認し、復旧できる範囲とできない範囲を切り分けます。
ステップ3:対応方針のご提案
診断結果を踏まえ、どこから手をつけるべきか、どの程度の対応が必要かをご提案します。優先度の高い機能面の問題から着手することが多くなります。
ステップ4:修正・復旧対応
ご提案内容にご同意いただいたうえで、表示崩れや機能不具合の修正、必要に応じたページの復旧作業を行います。
ステップ5:アフターサポート
対応後も、同じような問題が再発しないよう、更新方法や運用体制についてのご提案を行っています。生成AIを今後も活用されたい場合は、安全に使うためのポイントもお伝えしています。
よくある質問
Q1. 生成AIで作ったサイトでも、修正や復旧をお願いできますか?
はい、ご相談いただけます。生成AIで生成されたコードやデザインであっても、現状を確認した上で、修正できる範囲を判断してご提案します。
Q2. どのくらいの期間で復旧できますか?
状況によって大きく異なります。バックアップが残っている場合は比較的短期間で対応できることもありますが、原因の特定に時間がかかるケースもあります。まずは現状を確認したうえで、おおよその見立てをお伝えします。
Q3. 生成AIの利用そのものをやめるべきでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。生成AIは使い方次第で強力な助けになります。ただし、重要な変更を行う際には、内容を人の目で確認できる体制を持っておくことをおすすめしています。
Q4. まだ依頼するか決めていませんが、相談だけでも大丈夫でしょうか?
もちろんです。現状を整理したいだけという段階でもお気軽にご相談ください。
Q5. バックアップが全くない状態でも、相談できますか?
はい、ご相談いただけます。バックアップがない場合は復旧できる範囲が限られることもありますが、まずは現状を確認したうえで、可能な対応をご提案します。
Q6. 遠方からでも相談できますか?
サイトの状態はオンラインで確認できることが多いため、対応可能です。まずは現在の状況や気になっている点をお知らせください。
まとめ|一人で悩まず、まず現状を整理することから
生成AIを使ったサイト制作や更新がうまくいかず、「何が起きているのか分からない」「誰に相談すればいいのか分からない」という状況は、決して珍しいことではありません。大切なのは、焦って同じ操作を繰り返したり、契約を慌てて解約したりする前に、今回ご紹介したチェックポイントに沿って現状を一度整理してみることです。
ご自身で対応できそうな場合は、バックアップの確認や現状の記録から始めてみてください。管理画面にログインできない、ビジネスに関わる機能が動いていないなど、優先度の高い問題に当てはまる場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。マザーハンズでも、ホームページの制作・更新に関するご相談を承っておりますので、現状の整理だけでもお気軽にご相談ください。

