「ホームページはあるのに、電話もWeb予約も増えない」「アクセスはあるようなのに、来院につながっている実感がない」。開業後しばらく経った院長先生から、こうしたご相談をいただくことがあります。ホームページを見てもらえているのに、予約や問い合わせにつながらない。これは、集患の入口まではできていて、その先の「最後のひと押し」でつまずいている状態かもしれません。
この記事では、予約が入らないサイトでよく見られる原因を7つと、測定が整っていない場合の8つ目の原因に分けて、「原因 → 確認方法 → 直し方」の順で整理します。ホームページの専門家でなくても、スマホで自院のサイトを開けば確認できる内容を中心にしています。
※本記事は2026年10月24日時点の情報にもとづいています。制度や各サービスの仕様は変わる可能性があるため、最新の情報は公式サイトや所管の窓口でご確認ください。
【まず結論】直す順番は「押しやすさ」「情報の正確さ」「安心感」「計測」
原因は一つとは限りません。ただ、手をつける順番を間違えると、時間と費用をかけても変化が見えにくくなります。次の3段階で進めるのがおすすめです。
- Tier1(最優先・まず1〜2週間で):電話・予約ボタンの見直しと、診療時間・休診日・アクセスの見直し。スマホで押しやすく、探しやすい状態にします。費用がかかりにくく、見直しの効果も確認しやすい部分です。
- Tier2(次に・1か月ほどで):初診ガイドと診療メニュー説明の整備。初めての方の不安に答え、その医院の考え方や担当医が伝わるページにします。
- Tier3(並行して・継続的に):表示速度とスマホ表示の改善、Googleビジネスプロフィールなど外部情報の統一、そして計測の設定。ここが整うと、次に何を直すべきかが数字で見えるようになります。
- 医療広告に関わる表現(効果・実績・他院との比較など)は、この記事では扱いません。サイトの文言を直す際は、最新の「医療広告等ガイドライン」の確認が前提です。
なお、Tier1から始める理由は「患者さんが迷う場所」が最も多いからです。内容が良くても、電話番号が見つからない、診療時間が古いといった理由で離脱されてしまえば、それ以降のページは読まれません。入口に近いところから順に直していきます。
まず切り分ける|「見られているのに予約が入らない」とは、どの段階の話か
来院までの流れを4つに分けて考える
患者さんが予約するまでには、おおまかに次の4つの段階があります。
- 探す:検索やマップ、知人の紹介などで院名や場所にたどり着く。
- 見る:ホームページを開き、診療時間・場所・雰囲気を確認する。
- 決める:「ここに行こう」と判断する。
- 行動する:電話をかける、Web予約をする、フォームを送る。
「アクセスはあるのに予約が入らない」場合、問題は主に「見る」「決める」「行動する」にあります。逆に、そもそも「探す」の段階で見つけてもらえていないなら、別の対策(検索やマップ上の見え方の改善など)が先になります。まずは、自院がどこでつまずいているかを仮にでも置くことが大切です。
「アクセス数」だけを見ない
アクセス数は、ページが開かれた回数や訪問者の数の目安にすぎません。その中には、診療時間だけ確認して閉じる人、すでに通院中で予約の連絡先を確認しに来た人、院名が似た別の医院と間違えて来た人も含まれます。アクセス数が増えても、予約が増えるとは限りません。
見るべきなのは「アクセスした人のうち、電話・予約・フォームの行動をした人がどれだけいるか」です。ただし、この数字を取るには計測の設定が必要です。計測については後半の第8章で詳しく説明します。
この記事が扱う範囲
この記事は、導線(どこをどう押してもらうか)、情報整理(何をどの順に載せるか)、計測(何を数えるか)に絞っています。診療内容の説明や治療の効果に関する書き方は、医療広告の規制が関わる領域です。その部分は、歯科ホームページのNG表現と言い換え集|医療広告ガイドライン違反を避ける書き方もあわせてご覧ください。個別の可否は、貴院で最新のガイドラインと所管の保健所・自治体窓口にご確認ください。
原因1|スマホで電話・予約ボタンがすぐに押せない
なぜ起きるのか
多くの患者さんは、スマホで医院を調べると考えられます。ところが、サイトがパソコンの画面を基準に作られていると、スマホでは電話番号が画面の下のほうにあったり、文字として表示されているだけで押しても発信されなかったりします。予約ボタンが小さい、メニューの奥に隠れている、といったケースもあります。
患者さんは「調べて、そのまま連絡したい」と思っています。そこで一手間かかると、別の医院のサイトに移ってしまうことも考えられます。
確認方法
自院のサイトをスマホで開き、次の点を試してください。
- 最初に表示される画面(ファーストビュー)に、電話か予約のボタンが見えているか。
- スクロールしても、画面の下や端にボタンが付いてくるか(固定表示)。
- 電話番号をタップすると、発信の確認画面が出るか。
- ボタンが指で押しやすい大きさか。隣のリンクと近すぎて誤タップしないか。
- どのページからでも、2タップ以内で予約か電話に進めるか。
直し方
- 電話番号をタップで発信できるようにする。HTMLでは「tel:」というリンク形式で設定します。文字として書かれているだけの番号は、リンクに変えます。
- 画面の下部に、電話と予約のボタンを固定表示する。スクロールしても常に見える位置に置くと、迷わず押せます。ただし、ボタンが本文や重要な情報に重ならないか、実機で必ず確認します。
- ファーストビューに、診療時間と連絡手段をまとめて置く。キャッチコピーや大きな写真だけで画面が埋まっていないか見直します。
- ボタンの文言を具体的にする。「お問い合わせ」より「電話をかける」「Webで予約する」のほうが、押した先で何が起きるか分かります。
ここで言う「必ず確認」は、作業手順としての意味です。固定ボタンは機種や画面サイズによって見え方が変わることがあるため、できれば複数の端末で確かめてください。
よくある見落とし
スマホの画面は、見る人の手の動かし方によって押しやすい範囲が変わります。右手の親指で持つ人も、左手の人もいます。画面の中央から下にかけてのボタンは、比較的押しやすい位置と言われますが、個人差があります。固定ボタンを左右どちらかに寄せず、横幅いっぱいに配置するという方法もあります。
原因2|診療時間・休診日・アクセスが探しにくい、または古い
なぜ起きるのか
歯科医院のサイトを開く人の目的の一つは「今日、診てもらえるか」「何時までか」「どこにあるか」の確認だと考えられます。この情報が見つからない、あるいは古いと、電話をかける前に離れてしまいます。
特に起こりやすいのが、診療時間の変更やスタッフの入れ替わり、臨時休診の告知が、サイトに反映されていないケースです。トップページには新しい時間が書かれていても、アクセスページには古い時間が残っているといった「ページ間の食い違い」もあります。
確認方法
- トップページを開いて、スクロールせずに診療時間と休診日が分かるか。
- 午前・午後の時間帯、最終受付時間、休診日(祝日の扱いを含む)が明記されているか。
- サイト内の複数ページで、診療時間の表記が一致しているか。
- 住所だけでなく、最寄り駅やバス停からの道順、目印が書かれているか。
- 駐車場の有無、台数、場所が分かるか。駐輪場や提携駐車場がある場合はその案内もあるか。
- 地図が表示され、タップすると地図アプリで経路案内が開くか。
直し方
- 診療時間は、一か所で管理する。ページごとに手入力すると、更新漏れが起きます。可能であれば、共通部品(ヘッダーやフッター、専用の表示欄)として一か所を直せば全ページに反映される作りにします。
- 「通常と異なる日」の知らせ欄を用意する。臨時休診や年末年始の診療日程を、トップページの目立つ場所で告知できるようにします。期間が過ぎたら外す運用も決めておきます。
- 道順を、初めての人の目線で書く。「駅の改札を出て右、信号を渡って左」のように、歩く順番で書きます。目印となる建物があれば添えます。
- 駐車場の情報は具体的に。「あり」だけでなく、台数、入口の位置、満車時の案内があれば、来院前の不安が減ります。
診療時間やアクセスは、広告可能事項に含まれる基本的な情報です。ただし、表現の細部については、最新のガイドラインの確認をお願いします。
原因3|初診の不安に答えていない
なぜ起きるのか
初めて行く歯科医院には、さまざまな不安があります。「予約なしで行ってよいのか」「何を持っていけばよいのか」「どのくらい時間がかかるのか」「受付ではまず何をするのか」。これらは診療内容とは別の、ごく実務的な疑問です。
この疑問に答えるページがないと、患者さんは電話で聞くか、聞くのをためらって別の医院を選ぶことになります。電話は、聞きにくいと感じる人にとってはハードルが高い行動です。
初診ガイドに載せたい項目
- 来院までの流れ(予約方法、当日の受付、問診票、診察の順番)。
- 持ち物(保険証、診察券がある場合は診察券、お薬手帳など)と、保険証の確認についての案内。
- 所要時間の目安。ただし、症状や内容で変わるため「目安であり、状況により前後します」と添える。
- 予約なしで来院した場合の案内(可能か、待ち時間が出る場合があるかなど、実際の運用に合わせる)。
- キャンセルや変更の連絡方法。
- お子さま連れの場合の案内、付き添いが必要な場合の案内。
- 支払い方法(現金のほか、使えるものがあれば)。
書くときの注意
初診ガイドは、実際の運用をそのまま書くのが基本です。現場の運用と文章がずれていると、来院した際に患者さんが戸惑います。院長だけでなく、受付スタッフにも読んでもらい、実態との違いを確認してください。
一方で、ここに「安心して通えます」「痛くありません」「通院された方に喜ばれています」といった、感想や効果にあたる表現を入れるのは避けてください。体験談や伝聞にもとづく表現は、医療広告で認められていません。初診ガイドは、手順・持ち物・時間・連絡方法という「事実」を淡々と伝えるのが適しています。
初診ガイドを置く場所
独立したページを作り、トップページや予約ボタンの近くからリンクします。「初めての方へ」という名前は、患者さんにも分かりやすい定番の呼び方です。予約ページの上部に短くまとめて載せる方法もあります。
原因4|診療メニューが並んでいるだけで、医院の考え方や担当医が伝わらない
なぜ起きるのか
診療メニューを並べたページは、サイト制作の初期に作られがちです。しかし、どの医院のサイトにも似た項目が並ぶと、患者さんは「結局、どこも同じ」と感じてしまうかもしれません。通いやすさや距離で選ぶ場合も、最後に背中を押すのは「この院長に診てもらいたい」「この医院なら話を聞いてもらえそう」といった印象だと考えられます。
広告可能な範囲で伝えられること
- 診療の方針や考え方:たとえば、説明を丁寧に行う、通院しやすい時間帯に配慮するなど、医院として大切にしている運営の姿勢。効果や優位性を述べずに書けます。
- 設備や院内の環境:設置している機器の名称、バリアフリーの有無、個室や待合室の様子など、事実として説明できるもの。
- 担当医の略歴:出身大学、卒業年、所属学会、経歴など、広告可能な範囲の事項。
- スタッフ体制:歯科衛生士や受付スタッフの人数など、事実にもとづくもの。
- 院内の写真:外観・待合室・診療室など。患者さんの写真を使う場合は、ご本人の同意が必要です。
書いてはいけないラインの考え方
「他院より優れている」「地域で一番」「最新の技術で安心」といった比較や誇大な表現は、医療広告の禁止類型に当たります。専門医の表記も、厚生労働省が認めた学会の専門医に限られます。担当医の略歴を載せる場合は、事実に誤りがないか、広告可能事項かどうかを医院側で確認してください。
制作会社は、形式面(問い合わせ先の明記や禁止語句のチェックなど)の確認までを担当し、内容の正確さや妥当性の判断は医療機関側の責任となるのが一般的な整理です。判断に迷う表現は、掲載前に所管の保健所・自治体窓口へ相談することをおすすめします。
診療メニューページの組み立て方
各メニューのページは、概要、診療の流れ、通院の目安、費用(保険診療・自由診療の別)といった、患者さんが知りたい順に並べると読みやすくなります。自由診療を扱う場合は、広告可能事項の限定解除の要件(問い合わせ先の明記、通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間・回数、主なリスクや副作用など)が関わります。自費診療ページの見せ方は、インプラント・矯正・ホワイトニングの自費ページが読まれない理由|料金・症例・説明の見せ方で詳しく整理しています。
原因5|表示が遅い、スマホで崩れる、文字が小さい
なぜ起きるのか
サイトの表示が遅いと、内容が出る前に閉じられてしまうことが考えられます。写真を多く使うサイトでは、画像のファイルサイズが大きいことが主な理由になりがちです。また、パソコン向けに作られたサイトは、スマホで横幅が合わず、文字が小さくなって読みにくい、横にスクロールしないと全体が見えない、といった状態になりやすいです。
確認方法
- 実機チェック:ご自身のスマホ、スタッフの方のスマホ(機種や画面の大きさが違うもの)で、トップページ、診療案内、アクセス、初診ガイドを開きます。通信が弱い環境(Wi-Fiを切った状態)でも試すと、実際の使われ方に近づきます。
- PageSpeed Insights:Googleが提供する無料の診断ツールです。サイトのURLを入力すると、スマホ向けの表示速度や改善点の候補が表示されます。点数だけで一喜一憂せず、「何が重いと指摘されているか」を見てください。
- 文字の大きさ:拡大しなくても、本文が無理なく読めるか。行間が詰まりすぎていないか。背景と文字の色の差が十分か。
- 横スクロール:横にずれる、一部が画面からはみ出す、ボタンが画面外に出る、といった崩れがないか。
直し方
- 画像を軽くする。撮影したままの大きな写真を、そのまま載せていないか確認します。表示サイズに合わせて縮小し、適切な形式で圧縮します。
- 不要な機能を減らす。使っていないプラグインやスクリプト、自動で動く大きなスライドショーなどが、重さの原因になることがあります。
- スマホ表示を基準に見直す。画面の幅に合わせてレイアウトが変わる作り(レスポンシブ)になっているか、制作会社に確認します。
- サーバーの状況を確認する。画像を直しても改善しない場合、サーバーの性能や設定が関係していることがあります。
診断ツールの指摘は専門用語が多く、すべてを直す必要はありません。「予約や電話の操作に影響しているか」を軸に優先順位をつけると、無理なく進められます。診断の見方や改善の相談は、制作会社や保守管理の担当者に依頼するのが現実的です。
原因6|Googleビジネスプロフィール・予約サイト・自院サイトの情報が食い違っている
なぜ起きるのか
患者さんは、自院のサイトだけを見るわけではありません。Googleの検索結果やマップに表示される情報(Googleビジネスプロフィール)、外部の予約サイトや歯科医院の情報サイトなど、複数の場所で医院の情報を目にします。そこで診療時間、電話番号、住所、休診日が食い違っていると、「どれが正しいのか」と不安になり、連絡をためらう原因になります。
実際に来院して「閉まっていた」「電話がつながらなかった」となれば、患者さんの信頼を損ねかねません。
確認方法
- 院名で検索し、マップに出る診療時間・電話番号・住所・ウェブサイトのURLが、自院サイトと一致しているか。
- 祝日や年末年始の診療時間が、マップ上で最新になっているか。
- 外部の予約サイトや情報サイトに載っている情報が古くないか。
- 院名の表記(「歯科医院」「デンタルクリニック」など)が、場所によって揺れていないか。
- 以前の電話番号や、移転前の住所が残っていないか。
直し方
- 「正」となる情報を一枚にまとめる。院名、住所、電話番号、診療時間、休診日、URLを一覧にし、すべての場所をその一覧に合わせます。
- 変更があったときの更新先リストを作る。診療時間が変わったとき、サイト、Googleビジネスプロフィール、予約サイトなど、どこを直すかを一覧にしておくと漏れが減ります。
- 更新の担当者を決める。誰が、どのタイミングで確認するかを決めます。月初に見る、診療時間を変えた当日に直す、といったルールが有効です。
Googleビジネスプロフィールの項目や仕様は、変更されることがあります。設定方法はGoogleの公式ヘルプで最新の内容を確認してください。マップ上の見え方や集患全体の考え方は、【広島の歯科医院向け】ローカル集患を月+50件にするWebマーケティング完全戦略も参考になります。
原因7|予約手段が営業時間内の電話だけ
なぜ起きるのか
電話のみの受付だと、診療時間内にしか連絡できません。仕事や家事で日中に電話をかけにくい人は、連絡を後回しにし、そのまま忘れてしまうことも考えられます。また、電話そのものに抵抗がある人もいるでしょう。
一般に、医院のサイトは診療時間外の夜間や休日に調べられることもあると考えられます。そうした時間帯に連絡手段が閉じていると、せっかくの関心が行動につながりにくくなります。ただし、これはあくまで一般的な傾向の推測であり、地域や患者層、診療内容によって異なります。貴院の患者さんがどう動いているかは、計測で確かめるのが現実的な方法です。
選択肢を増やす方法
- Web予約:24時間受け付けられる。予約システムとの連携が必要で、運用の負担や費用も確認します。
- 問い合わせフォーム:予約確定ではなく、希望日時を送ってもらい、後から医院が連絡する形式。導入は比較的軽いですが、返信までの時間をどう運用するかが課題です。
- LINEなどのメッセージ手段:普段使いのアプリで連絡できる。ただし、運用の手間や、個人情報の扱いに注意が必要です。
- 電話の案内の工夫:電話しかない場合でも、「電話がつながりやすい時間帯」を案内する、留守番電話の案内を整えるなどの工夫はできます。
導入するときの注意
手段を増やすほど、窓口での対応や確認作業が増えます。医院の人員体制で無理なく続けられる範囲を考えてください。また、フォームやメッセージで患者さんの情報を受け取る場合は、個人情報の取り扱いについて、サイト上に分かりやすく案内を載せる必要があります。具体的な運用は、関係する法令やガイドラインを確認したうえで決めてください。
「予約を入れるだけで終わり」にしないことも大切です。予約を受けたあとの確認連絡、前日のリマインド、キャンセル時の対応まで含めて、一連の流れとして設計します。
原因8|測っていないので、何が悪いか分からない
なぜ起きるのか
ここまでの7つの原因は、いずれも「推測」から始まります。実際にどこで離脱しているのか、どのボタンが押されているのかは、計測しなければ分かりません。計測がないままでは、直したあとに良くなったのかどうかも判断できません。
最低限、計測したい3つの行動
- 電話番号のタップ:スマホで電話ボタンや電話番号がタップされた回数。
- 予約ボタンのクリック:Web予約や予約ページへのボタンが押された回数。
- フォームの送信完了:問い合わせフォームの送信後に表示される完了ページが開かれた回数。
これらを、Googleアナリティクス4(GA4)で「イベント」や「コンバージョン(成果)」として設定します。設定にはタグの追加が必要なことがあり、技術的な知識を要する場合は、制作会社や保守管理の担当者に依頼してください。設定の手順は、Googleの公式ヘルプで確認できます。
GA4とSearch Consoleで見る最低限の指標
計測ツールを入れても、見る項目が多すぎると続きません。最初は次の程度に絞ります。
- GA4(サイトに来た人の動き):
- ページ別の表示回数(診療案内、アクセス、初診ガイドなどが読まれているか)。
- 端末別の割合(スマホで見る人がどのくらいか)。
- 流入元(検索、マップ、直接入力、SNSなど)。
- 電話タップ、予約ボタン、フォーム送信の回数(コンバージョン)。
- Search Console(検索結果での見え方):
- どんな検索語句で表示され、クリックされているか。
- 表示回数とクリック数、クリック率。
- スマホでの表示に問題が出ていないか(使いやすさ・表示の問題の通知)。
月1回の見方
毎週細かく見る必要はありません。月に一度、30分ほどの時間を決めて、次の順で確認してください。
- 先月のコンバージョン(電話タップ、予約ボタン、フォーム)の合計を、その前の月と比べる。
- スマホとパソコンのどちらで、行動が多いかを見る。
- 読まれているページと、読まれていないページを確認する。
- 検索語句に、院名以外の語句(地域名+歯科など)が含まれているか確認する。
- 気づいた点を一つだけ選び、翌月に直すことを決める。
数字が小さいうちは、増減に過敏になる必要はありません。傾向を見て、仮説を立て、一つずつ試す姿勢が続けやすいです。
注意:計測できるのは「サイト上の行動」まで
電話タップの数は、実際に通話が成立した数とは異なります。また、予約ボタンのクリックと、実際の来院は別の数字です。電話の受付時に「ホームページを見ましたか」と一言聞いてもらう、問診票に来院のきっかけを書く欄を設けるなど、院内の記録と組み合わせると、より実態に近づきます。
3分でできる|スマホ版セルフチェックリスト
スマホで自院のサイトを開き、次の項目を順にチェックしてください。当てはまらない項目が多いほど、見直しの余地があります。
- トップページを開いて、3秒以内に表示が始まる。
- 最初の画面に、電話か予約のボタンが見えている。
- 画面をスクロールしても、電話か予約のボタンが画面の下に残っている。
- 電話番号をタップすると、発信の画面が開く。
- トップページで、診療時間と休診日が分かる。
- 最終受付時間が書かれている。
- 臨時休診や年末年始の診療日程の案内が、最新になっている。
- 住所の下に、最寄り駅やバス停からの道順がある。
- 駐車場の有無と台数が書かれている。
- 地図をタップすると、地図アプリが開く。
- 「初めての方へ」のページに、トップページから1タップで行ける。
- 初診ガイドに、持ち物と所要時間の目安が書かれている。
- 担当医の名前と略歴が分かる。
- 文字を拡大しなくても、本文が読める。
- 横にずれたり、はみ出したりしている部分がない。
- Googleのマップ上の診療時間と電話番号が、サイトと一致している。
- 夜間や休日にも、連絡できる手段(フォームなど)がある。
チェックしたら、当てはまらなかった項目を、前述のTier1〜Tier3に当てはめて優先順位をつけます。「ボタンと診療時間」に関する項目から先に直すのがおすすめです。
よくある失敗パターン|やりがちな落とし穴
デザインだけを変えてリニューアルし、かえって悪化する
見た目を新しくしたものの、電話番号の位置が変わって見つけにくくなった、診療時間の表示が小さくなった、といった状況は起こりえます。リニューアルでは、見た目より先に「患者さんが押す場所」「探す情報」を洗い出し、それを維持・改善する設計が必要です。
また、リニューアルでURLが変わる場合は、旧URLから新URLへの転送設定(301リダイレクト)など、検索への影響を抑える手順も欠かせません。詳しくは歯科サイトのリニューアルで検索順位を落とさない手順|URL・リダイレクト・移行チェックリストを参照してください。
予約システムを入れただけで、導線が弱い
Web予約を導入しても、ボタンが目立たない、予約ページに行くまでに何度もクリックが必要、予約画面が使いにくい、といった状態では活用されません。予約システムは「入れること」より「そこへ自然に案内すること」が重要です。導入後は、予約ボタンのクリック数と予約完了数を比べて、途中で離脱していないか確認します。
診療時間の更新が、サイトにだけ反映されていない
院内の掲示は変えたが、サイトとマップは古いまま、というのは典型的な見落としです。更新先のリストを作り、診療時間を変えたら一度に直す手順にしましょう。
情報を詰め込みすぎて、肝心のボタンが埋もれる
伝えたいことが多いほど、ページは長く、複雑になりがちです。しかし、患者さんが最初に探すのは、診療時間・場所・連絡手段です。情報の優先順位を決め、重要でないものはリンク先のページに回します。
計測せずに、何度も直し続ける
効果が分からないまま修正を重ねると、費用ばかりがかさみます。直す前に現状の数字を取り、直したあとに比べる習慣をつけてください。
一度に全部を直そうとする
やるべきことが多いと感じると、手が止まります。Tier1の「ボタンと診療時間」から始めて、小さく確認しながら進めるほうが、結果として早く進みます。
制作会社に依頼するときの確認質問リスト
改善を外部に依頼する場合は、見積もりを比べる前に、次の質問を投げかけてみてください。回答の具体性で、実務の姿勢が見えてきます。
- 「現状のサイトのどこが課題か、スマホ画面で説明してもらえますか」:一般論ではなく、自院のサイトを実際に見たうえでの指摘があるかを確認します。
- 「電話・予約ボタンの設置や、電話タップの計測は対応範囲に含まれますか」:導線と計測が、制作費の中に含まれるのか、別途かを確認します。
- 「診療時間や休診日を、私たちで更新できる仕組みですか」:更新のたびに依頼が必要だと、反映が遅れがちです。
- 「医療広告等ガイドラインについて、どこまで確認してもらえますか」:形式面の確認の範囲と、医院側が判断すべき範囲を明確にします。
- 「公開後に、どの数字をどう報告してもらえますか」:報告の頻度、見る指標、改善提案が含まれるかを確認します。
- 「スマホでの表示確認は、どの端末で行いますか」:実機での確認があるか、診断ツールの結果をどう扱うかを聞きます。
- 「リニューアルの場合、URLの引き継ぎや転送はどう対応しますか」:検索への影響を抑える手順があるかを確認します。
- 「公開後の保守・更新は、どこまでが月額に含まれますか」:内容の追加や修正、セキュリティ対応の範囲を確認します。
これらの質問に、明確で具体的な説明が返ってくるかどうかが、判断材料になります。不明な点は、遠慮せずに聞き直してください。
よくある質問
Q. 何から直せばよいか分かりません。
まずは、スマホで自院のサイトを開き、電話・予約ボタンと診療時間の2点だけを確認してください。この2つは、費用や手間が比較的小さく、患者さんの行動に直接関わります。そのうえで、前述のセルフチェックリストを使って他の項目を見ていきます。
Q. Web予約システムを入れれば、予約は増えますか。
予約が増えるかどうかは、お約束できません。予約システムは、選択肢を増やす手段の一つです。ただし、ボタンの位置や案内が弱ければ、活用されない可能性があります。導入前に、院内の運用(予約の確認、変更・キャンセルの対応)が回るかも確認してください。
Q. アクセス数が少ないのが原因ではないですか。
アクセス数が少ないことが課題の場合もあります。ただ、アクセスがあるのに行動がない場合は、導線や情報の問題を先に疑います。アクセス数と行動数の両方を見て、どちらに課題があるかを切り分けてください。検索やマップでの見え方の改善については、SEOやマップ対策の記事も参考になります。
Q. 計測の設定は自分でできますか。
GA4やSearch Consoleの基本的な登録は、Googleの公式ヘルプを見ながら進められます。ただし、電話タップやボタンクリックのイベント設定は、サイトの作りによって手順が異なります。難しい場合は、制作会社や保守管理の担当者に依頼してください。
Q. 医療広告の規制が不安で、文章を増やせません。
不安を感じるのは自然なことです。診療時間、アクセス、予約方法、初診の流れ、持ち物といった情報は、導線を整えるうえで重要で、効果や比較を述べずに書けます。判断に迷う表現は、掲載前に最新の医療広告等ガイドラインを確認し、必要に応じて所管の保健所・自治体窓口へ相談してください。
まとめ|予約が入らないサイトは、順番を決めて小さく直す
今日やること
- スマホで自院のサイトを開き、電話番号をタップして、発信の画面が開くかを確かめる。
- 診療時間・休診日・最終受付時間が、トップページで見えるかを確認する。
- Googleのマップで院名を検索し、診療時間と電話番号がサイトと一致しているか見る。
今週中にやること
- セルフチェックリストを、スタッフにも協力してもらって実施する(複数の端末で)。
- 当てはまらなかった項目を、Tier1〜Tier3に振り分ける。
- 院名、住所、電話番号、診療時間をまとめた「正の情報」一覧を作る。
- 臨時休診などの知らせを、すぐに更新できる仕組みがあるか制作会社に確認する。
今月中にやること
- 初診ガイドのページを作る、または見直す(実際の運用に合わせる)。
- 電話タップ、予約ボタン、フォーム送信の計測を設定する。
- 月1回の見直しの日を決め、最初の数字を記録する。
- 夜間や休日にも使える連絡手段を、無理のない範囲で検討する。
関連コラム
- 歯科ホームページのNG表現と言い換え集|医療広告ガイドライン違反を避ける書き方
- インプラント・矯正・ホワイトニングの自費ページが読まれない理由|料金・症例・説明の見せ方
- 歯科サイトのリニューアルで検索順位を落とさない手順|URL・リダイレクト・移行チェックリスト
医療広告に関わる表現の最終的な可否は、貴院で最新のガイドラインと所管の保健所・自治体窓口にご確認ください。本記事は一般的な情報の整理であり、個別の適否を保証するものではありません。
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「ホームページはあるのに電話もWeb予約も増えない」「どこから直せばよいか分からない」といったご相談も、即日対応で承ります。
医療広告等ガイドラインの確認を前提に、貴院の現状を拝見したうえで、優先順位をつけてご提案します。まずは歯科サイト制作・マーケティング支援のページ、またはお問い合わせフォーム(お電話:050-3708-0206)からお気軽にご相談ください。

