「開業準備が山積みで、Webまで手が回らない」「何をいつから始めればよいのか分からない」「開業日に、誰にも知られていない状態になるのが不安」。開業を控えた院長からは、このようなお悩みをよく伺います。物件、内装、採用、機器、融資と、決めることが次々に押し寄せる時期です。Webの準備は、後回しにした分だけ開業直前に重なり、確認が甘くなりがちです。
この記事では、開業6か月前から開院後までを時期別に区切り、Webでやることを「優先度」つきで整理します。専門知識がなくても、読み終えたその日から動けるように、チェックリストと判断基準を中心にまとめました。
※本記事は2026年10月24日時点の情報にもとづいています。制度や各サービスの仕様は変わる可能性があるため、最新の情報は公式サイトや所管の窓口でご確認ください。
【まず結論】時期別に、最低限おさえる3つ
先に結論です。時期はあくまで目安です。物件の契約時期や工事の進み方によって前後しますので、ご自身のスケジュールに合わせて読み替えてください。
- 開業6〜4か月前:(1)診療コンセプトと来てほしい患者層を言葉にする、(2)院名の同名・類似名とドメインの取得可否を確認する、(3)ドメインと医院用メールを確保する。
- 開業3〜2か月前:(1)サイトの原稿と写真の段取りを固める、(2)電話番号・予約手段・診療時間を決める、(3)Googleビジネスプロフィールの登録手続きを始める。
- 開業1か月前〜開院後:(1)サイトを公開して予約導線をテストする、(2)電話タップ・予約・フォームの計測を設定する、(3)開院後に診療時間・休診日の反映と問い合わせ対応を点検する。
もし開業日までに本格的なサイトが間に合わない場合でも、「ティザーサイト(準備中ページ)」と「Googleビジネスプロフィール」、そこに載せる「電話番号・診療時間・アクセス」があれば、最低ラインは確保できます。詳しくは後の章で説明します。
開業前のWeb準備の全体像と優先度
なぜ「開業6か月前」から考えるのか
開業準備は、物件探し、内装設計、スタッフ採用、機器選定、融資対応が並行して進みます。その中でWebは「決まったことを載せる」作業に見えるため、つい最後に回されます。
ところが、Webには院名、電話番号、診療時間、写真など、他の準備が終わらないと決まらない情報が多く含まれます。さらに、Googleビジネスプロフィールのオーナー確認のように、手続きに日数がかかる場合があるものもあります。早めに「枠」だけ作っておけば、情報が決まった順に埋められます。
優先度を3段階に分けて考える
やることを全部同じ重さで抱えると、手が止まります。そこで、次の3段階に分けて考えることをおすすめします。
- Tier1(開業日までに必須):院名の確定、ドメインとメール、電話番号、診療時間・休診日・アクセスの掲載、Googleビジネスプロフィール、最低限のサイト(またはティザーサイト)。
- Tier2(あると集患の立ち上がりが楽):診療メニューごとのページ、院長・スタッフ紹介、院内写真、予約フォーム、SNSアカウント、計測設定、内覧会の告知。
- Tier3(開院後でもよい):コラムの継続投稿、各種ポータルへの追加掲載、自費診療の詳細ページの拡充、アクセス状況を見たうえでの改善。
時間が足りなくなったときは、Tier3から手放します。Tier1が欠けると「検索しても情報が出てこない」状態になるため、ここは守りたい部分です。
この記事での時期の読み方
以降の「開業◯か月前」は、一般的なスケジュール感にもとづく目安です。居抜き物件で工事が短い場合や、テナントの引き渡しが遅れる場合など、前後するのが普通です。大切なのは月数そのものではなく、「何が決まらないと次が進まないか」という順番です。
開業6か月前〜:土台を整える
コンセプト・患者層・競合の整理
最初の作業は、Webの作業ではなく「言葉にすること」です。どんな診療を中心にするのか、どんな方に来てほしいのか、周辺にどんな医院があるのかを整理します。これが曖昧なままでは、サイトの構成も写真の選び方も決められません。
- 診療の軸(一般歯科中心か、小児、予防、矯正、インプラントなどの自費診療にも力を入れるか)
- 来てほしい患者層(地域の家族連れ、通勤・通学の方、高齢の方など)
- 通院手段(徒歩・自転車・車・電車)と、診療時間の方向性
- 周辺の歯科医院が、どんな情報を出しているか(診療時間、予約方法、駐車場の案内など)
競合調査は、真似をするためではなく、「患者さんが比較するときに何を見ているか」を知るために行います。診療時間や予約のしやすさで差が出ることも多いため、自院で打ち出せる点を探してみてください。
医院名の確認:同名・類似名、ドメイン、Googleマップ上の見え方
院名が決まっていない状態でWeb準備を進めると、あとで大きな手戻りになります。院名を確定させる前に、次の3点を確認しておくと安心です。
- 同名・類似名の有無:検索して、同じ名前や紛らわしい名前の医院が近隣や同じ地域にないかを見ます。患者さんが間違えて電話したり、地図で別の医院に着いたりする原因になります。
- ドメインの取得可否:希望する名前のドメインがすでに使われていないかを確認します。使われている場合は、別の綴りや短い略称を検討します。
- Googleマップ上の見え方:地図で院名を検索したとき、似た名前の施設が上位に並ばないか、読み方が紛らわしくないかを確認します。
なお、医療機関の名称には医療法やガイドライン上の考え方があります。名称の可否は保健所など所管の窓口で確認してください。院名の確定が遅れそうなときは、Web側は「仮称で進めて、確定後に差し替える」前提で作業を分けておくと、止まりません。
ドメインとメールを先に確保する
ドメインは、サイトの住所にあたる文字列です。院名が確定したら、できるだけ早く取得しておきます。ここで押さえたいのは「ドメインは一度公開すると、あとから変えにくい」ことです。ドメインを変えると、検索での評価の引き継ぎなど、移転の手間が発生します。最初に長く使える名前を選んでください。
あわせて、医院用のメールアドレスを作ります。個人のメールアドレスのままで、お問い合わせの受付、各種サービスの登録、業者とのやり取りを進めると、のちに整理が大変になります。ドメインの契約者名義と管理者は、院長ご本人(または医療法人)になるようにしておくことも重要です。制作会社や知人の名義にしてしまうと、のちの引き継ぎで困ることがあります。
この時期のチェックリスト
- 診療コンセプトと患者層を、数行で書き出した
- 周辺の競合の診療時間・予約方法・駐車場案内を確認した
- 院名の同名・類似名を検索した
- ドメインの取得可否を確認し、取得した
- 医院用メールアドレスを作った
- ドメイン・サーバーの契約名義と、ログイン情報の保管場所を決めた
開業4〜5か月前:サイトの設計と撮影の段取り
ページ構成・診療メニュー・予約導線を決める
サイトは、いきなり作り始めるのではなく、設計から始めます。設計とは、どんなページを用意し、患者さんがどの順番で情報にたどり着くかを決めることです。
- 最低限のページ:トップ、診療案内、院長・スタッフ紹介、院内・設備紹介、アクセス、診療時間、料金の案内、お問い合わせ・予約。
- 診療メニューのページ:一般歯科、小児、予防などを、患者さんが探す言葉に合わせて分けます。
- 予約導線:電話、Web予約、フォームのどれを主にするかを決め、スマホで押しやすい場所に置きます。
予約導線は、サイトの成果を左右する部分です。「予約ボタンが目立たない」「診療時間が探しにくい」といった典型的な原因は、開業前に知っておくと設計に反映できます。詳しくは歯科医院のホームページから予約が入らない原因7選|スマホ導線・診療時間・予約ボタンの直し方で整理しています。
ロゴ・写真撮影の段取り
開業前の写真撮影は、スケジュールの調整が最も難しい作業のひとつです。内装工事中は撮影できる場所が限られ、完成後は開業までの日数がほとんど残らないことが多いからです。
- 工事中:外観の完成イメージ、院長のポートレート、スタッフ候補が決まっていれば集合写真。工事の進み具合を撮る場合は、公開してよい範囲を設計者・施工会社に確認しておきます。
- 完成直後(機器搬入前後):受付、待合室、診療室、個室、トイレ、キッズスペースなど。機器が入った状態と入る前の状態で、見え方が変わります。
- 開院後に追加:実際に診療が始まった様子や、季節の外観など。最初から全部をそろえようとしないことが大切です。
写真が間に合わないときのために、「完成予定のパース図」「設計図面をもとにした案内図」「院長の写真」の3つは、先に準備しておくと役立ちます。撮影日は、工事の引き渡し日から逆算して仮押さえしておいてください。カメラマンの予定が埋まることもあります。
ロゴについても、院名が確定してから作ります。看板、名刺、診察券、サイトで同じものを使うため、デザインの依頼先と納品形式(拡大しても粗くならないデータ形式かどうか)を、早めに確認します。
ティザーサイト(準備中ページ)で先にURLを持つ
ティザーサイトとは、本格的なサイトの前に公開する、簡易な「準備中ページ」のことです。院名、開院予定、所在地の目安、連絡先などだけを載せます。
先にURLを持つ利点は、次のとおりです。
- 検索エンジンに、サイトの存在を早めに知らせられる(ただし、検索結果への表示を保証するものではありません)。
- Googleビジネスプロフィールや、SNS、看板、チラシに載せるURLを早く確定できる。
- 本格サイトの公開時に、同じURLのまま中身を差し替えられる。
ティザーサイトであっても、院名が特定でき受診を誘引する表示は、医療広告にあたりうる点に注意が必要です。載せる内容は広告可能事項の範囲におさめ、次の章でお伝えするチェックを行ってください。
この時期のチェックリスト
- ページ構成案(サイトマップ)を作った
- 予約手段(電話・Web予約・フォーム)の方針を決めた
- ロゴの依頼先と納品形式を確認した
- 撮影の候補日を、工事の引き渡し日から逆算して仮押さえした
- ティザーサイトを公開するかどうかを決めた
開業3か月前:原稿・広告チェック・連絡手段の確定
原稿作成と医療広告のチェック
原稿は、院長が「何を伝えたいか」を話し、それを文章に整える流れが進めやすいです。診療方針、診療内容、院長の経歴、設備、アクセスなど、材料は開業前から揃えられます。
ここで大切なのが医療広告のチェックです。医療機関のウェブサイトは、2018年(平成30年)6月から医療法上の「広告」として規制の対象となっています。ブログやSNS、LPであっても、院名が特定でき、受診を誘引する表示であれば広告にあたりうるとされています。
開業前の新規サイトは、表現が定まっていないぶん、うっかり禁止類型に触れやすい時期でもあります。たとえば、他院との比較で優れていると見せる表現、誇大な表現、広告可能事項以外の内容などです。具体的な言い換えは歯科ホームページのNG表現と言い換え集|医療広告ガイドライン違反を避ける書き方にまとめています。
制作会社ができるのは、問い合わせ先の明記や禁止語句の確認といった形式面までです。治療内容や効果の説明が正確か、妥当かの判断は、医療機関の責任で行う必要があります。個別の可否は、最新の「医療広告等ガイドライン」「事例解説書」「Q&A」と、所管の保健所・自治体窓口で確認してください。
自費診療ページの記載項目を確定する
インプラント、矯正、ホワイトニングなどの自費診療をサイトで扱う場合は、載せる項目を先に決めておきます。広告可能事項の限定解除という考え方では、ウェブサイト等で次の要件を満たすことが求められます。
- 患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト等であること
- 問い合わせ先(電話番号・メールアドレス等)を明記すること
- 自由診療の場合:通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間・回数
- 自由診療の場合:主なリスク・副作用等
費用が一律に決まらない場合は、最低〜最高の範囲を示し、発生頻度の高い追加費用も含めて説明する必要があります。つまり、料金表や説明文は「あとで考える」ではなく、開業前に院長が決めておくべき項目です。自費ページの見せ方はインプラント・矯正・ホワイトニングの自費ページが読まれない理由|料金・症例・説明の見せ方も参考にしてください。
電話番号・予約手段の決定(開通時期に注意)
電話番号は、サイト、Googleビジネスプロフィール、看板、診察券、チラシのすべてに載ります。ところが、固定電話の番号は、回線の手配や工事の関係で、開通時期が想定より遅れることがあります。
- 電話番号の申し込み時期と、開通の予定日を通信事業者に確認する
- 番号が決まらないまま印刷物やサイトを作らない(刷り直しの原因になります)
- 予約システムを使う場合は、契約・設定・テスト予約にかかる日数を事前に聞いておく
- 電話に出られない時間帯の対応(留守番電話、案内メッセージ、フォームの併用)を決める
番号の開通が遅れそうなときは、まず問い合わせフォームとメールで受け付ける形にして、電話番号が決まった時点で全媒体を更新する段取りを用意しておきます。
この時期のチェックリスト
- サイトの原稿(トップ、診療案内、院長紹介、アクセス)の下書きを作った
- 医療広告の観点で、表現を一度見直した
- 自費診療を扱う場合の、治療内容・費用・期間・リスクの記載項目を決めた
- 電話番号の開通予定日を確認した
- 予約手段と、電話に出られない時間の対応を決めた
開業2〜3か月前:見つけてもらう入口を作る
Googleビジネスプロフィールの準備
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップで医院の情報を表示するための無料のツールです。「地域名+歯科」のような探し方をする患者さんにとって、地図上の情報は入口になります。
注意したいのは、登録からオーナー確認までに日数がかかる場合があることです。確認の方法は状況によって異なり、郵送のハガキや電話、動画などが求められることもあります。開業直前に始めると、開業日に表示が間に合わない可能性があります。
- オーナー確認ができる住所(郵便物が受け取れる状態か)を確認する
- カテゴリ、診療時間、電話番号、サイトのURLを登録する
- 診療時間は「開業前の予定」と分かるように設定し、開院日に確定情報へ更新する
- 管理者権限は、院長のGoogleアカウントで持ち、制作会社や担当者に付与する場合も権限を把握しておく
手続きや仕様は変更されることがあります。最新の手順は、Google公式のヘルプ(参考情報に掲載)で確認してください。
SNSアカウントの準備
SNSは、開業前に「アカウント名を確保しておく」だけでも意味があります。院名と同じ、または近い名前で取得しておけば、のちに他者に使われて困る事態を避けられます。
運用の可否は、医院の人手で決めてください。続けられない運用は、更新が止まった印象を与えます。投稿は、院の取り組みや診療時間のお知らせなど、無理のない範囲から始めます。SNSの投稿も、院名が特定でき受診を誘引する表示であれば、医療広告にあたりうる点は忘れないでください。
ポータルサイトへの掲載を検討する
歯科医院を探せる各種のポータル(地域情報サイトや医療機関の検索サイトなど)への掲載は、必須ではありません。目的は、サイト以外の入口を増やすことです。掲載を検討するときは、次の点を見ます。
- 掲載が無料か有料か、継続の費用が発生するか
- 掲載内容を自院で修正できるか
- 掲載先の表現が、医療広告の観点で問題ないか(有料の掲載は、限定解除の対象外になる場合があります)
- 情報を更新する担当者を置けるか
掲載先が増えるほど、後述する表記の統一と更新の手間が増えます。まずはTier1を優先し、必要性を見て追加するのが無理のない進め方です。
表記ゆれを防ぐ「統一表」を作る
院名、住所、電話番号、診療時間は、サイト、Googleビジネスプロフィール、SNS、ポータル、看板、チラシで、同じ表記にそろえます。たとえば「ビル名の有無」「ハイフンの付け方」「全角・半角」「ふりがな」の違いが、患者さんの混乱や、地図上の情報の乱れにつながります。
これを防ぐために、1枚の「統一表」を作っておきます。
- 院名(正式名称・略称・ふりがな・英字表記)
- 住所(ビル名・階数・目印になる建物の書き方)
- 電話番号・FAX・メールアドレス
- 診療時間・休診日・最終受付時間・昼休みの扱い
- 駐車場の有無、台数、場所(台数は正確な数字を確認して記載)
- 公式サイトURL、SNSのURL
この表を、院内の共有フォルダに保管し、制作会社や印刷会社にも同じものを渡します。変更があったときは、この表を先に直し、各媒体を順に更新します。
この時期のチェックリスト
- Googleビジネスプロフィールの登録とオーナー確認の手続きを始めた
- SNSのアカウント名を確保した(運用方針も決めた)
- ポータルへの掲載の要否を判断した
- 「院名・住所・電話番号・診療時間」の統一表を作った
- 写真撮影の日程を確定した
開業1か月前:公開・テスト・計測
内覧会の告知と、広告規制の扱いの違い
内覧会は、開業前に地域の方へ医院を知ってもらう機会です。告知の方法によって、広告規制の扱いが異なる点に注意してください。
- 院内・施設内の掲示物や、施設内で配るパンフレット:一般に、医療広告としては扱われないとされています。
- ウェブサイトやSNSでの告知:院名が特定でき受診を誘引する表示であれば、広告にあたりうるため、広告可能事項の範囲で記載します。
- 患者の求めに応じた案内(メールマガジンやパンフレットの送付など):自ら求めて入手する情報にあたる場合があり、扱いが異なります。
ただし、個別の媒体や文面がどの扱いになるかは、断定できません。チラシや折り込み、ポスティングなどの媒体は特に迷いやすいため、実施前に所管の保健所・自治体窓口へ確認することをおすすめします。また、告知文では、割引やプレゼントで誘引するような表現が「品位を損ねる内容」と判断される例もあります。キャンペーン的な告知は避け、日時、場所、内覧の内容といった事実の案内にとどめましょう。
予約導線のテスト
公開前に、実際に自分で予約できるかを確かめます。院長だけでなく、Webに詳しくない家族やスタッフにも試してもらうと、気づかない点が見つかります。
- スマホで、トップページから予約・電話までの操作が迷わずできるか
- 電話番号をタップすると、発信画面に切り替わるか
- フォームを送信すると、院内で通知を受け取れるか(迷惑メールに入っていないか)
- 診療時間・休診日・最終受付時間が、サイトと予約画面で一致しているか
- iPhone、Androidの両方、主要なブラウザで表示が崩れていないか
サイト公開と計測設定
サイトの公開日は、開業日の直前ではなく、余裕を持って設定します。公開後に、表示の崩れや誤字が見つかることはよくあるためです。
計測は、公開と同時に設定しておきます。あとから設定すると、最初の数週間のデータが取れません。
- 電話番号のタップ数
- 予約ボタン、予約システムへの遷移数
- 問い合わせフォームの送信数
- Search Console(検索結果での表示や、検索キーワードを確認するGoogleの無料ツール)への登録
計測の目的は、数字を眺めることではなく、「どの導線が使われているか」を知って、改善の優先順位をつけることです。
この時期のチェックリスト
- 内覧会の告知方法ごとに、広告規制上の扱いを確認した
- 予約導線を、スマホで第三者にテストしてもらった
- サイトを公開した(ティザーサイトからの差し替えを含む)
- 電話タップ・予約・フォームの計測を設定した
- Search Consoleに登録した
- Googleビジネスプロフィールの情報が、統一表と一致している
開院後:初月の点検と運用体制
初月のチェック
開院後は、予定していた情報と実際の運用が食い違いやすい時期です。最初の1か月は、次の点を点検します。
- 診療時間・休診日が、サイト、Googleビジネスプロフィール、予約画面で実際の運用と一致しているか
- 問い合わせや予約が届いているか、返信の担当者と目安の時間が決まっているか
- 電話が取れなかった時間帯がないか
- Search Consoleで、サイトが認識されているか、エラーが出ていないか
- 地図上の位置や、入口の案内が分かりやすいか
口コミを依頼するときの注意
Googleマップの口コミは、患者さんが医院を選ぶときの参考にされやすい情報です。ただし、依頼の仕方には注意が必要です。
- 口コミの投稿は、患者さんの自由意思です。強要したり、書いてほしい内容を指定したりしないでください。
- 医療広告の観点では、患者その他の者の主観や伝聞にもとづく治療内容や効果の体験談は、広告できません。口コミの転載や、スタッフによる記載、アンケートの加工は、違反事例として挙げられています。自院のサイトに口コミを載せる場合は特に注意が必要です。
- お礼の品などで投稿を促す方法は、各サービスのガイドラインに反する場合があります。
各サービスの規約は変更されることがあります。依頼する前に、最新のガイドラインを確認してください。
保守・更新の体制
サイトは、公開して終わりではありません。診療時間の変更、休診のお知らせ、スタッフの入れ替え、料金の改定などは、開院後に発生する前提で、体制を決めておきます。
- 更新の担当者(院内の誰が、どの情報を直すか)
- 更新を依頼する窓口と、依頼から反映までの目安
- サーバー・ドメインの更新期限の管理
- セキュリティ更新、バックアップの有無
私たちマザーハンズ株式会社でも、制作後の保守管理をご依頼いただく場合があります。内製と外注のどちらが合うかは、次の章の考え方で決めてください。
この時期のチェックリスト
- 診療時間・休診日の掲載が、実際の運用と一致している
- 問い合わせ対応の担当者と、確認の頻度を決めた
- 口コミの依頼方法を、院内で共有した
- Search Consoleを確認した
- 更新の担当と、依頼窓口を決めた
開業日までにWebが間に合わない場合の最低ライン
最低限そろえる3点
準備が押して、本格的なサイトが開業日に間に合わないこともあります。そのときは、次の3点を優先してください。
- ティザーサイト:院名、所在地、開院日(または開院予定)、連絡先を載せた1ページ。
- Googleビジネスプロフィール:オーナー確認まで済ませ、基本情報を登録した状態。
- 電話番号・診療時間・アクセスの掲載:患者さんが「いつ、どこへ、どうやって」行けばよいかが分かる情報。
この3点があれば、検索して院名が出てきたときに、最低限の情報を届けられます。逆に、凝ったデザインのサイトがあっても、電話番号や診療時間が載っていなければ、患者さんは困ってしまいます。
後から足す順番
開業後は、診療案内、院長紹介、院内写真、予約フォーム、自費診療ページの順で足していくのが、無理のない進め方です。ティザーサイトと本サイトのURLを同じにしておけば、ページを足すだけで拡張できます。
広島で開業する場合の一般的な留意点
「地域名+歯科」で探されることを想定する
広島で開業する場合も、患者さんは「地域名+歯科」の形で探すことが多いと考えられます。そのため、市区町村名や、町名、最寄り駅、バス停、目印となる施設名などを、不自然にならない範囲で本文に入れておくことが大切です。
- トップページとアクセスページに、所在地を住所の形で正確に書く
- 「◯◯駅から徒歩◯分」のような案内は、実際に歩いて確認した内容を載せる
- キーワードを不自然に並べない(読みにくくなり、患者さんにも検索エンジンにも逆効果です)
地名をどの程度入れるか、検索対策の考え方は、SEO対策のページも参考にしてください。
車で通う地域では、駐車場の案内を丁寧に
広島県内でも、車で通院される方が多い地域では、駐車場の情報が来院の決め手になることがあります。台数、場所、入口の分かりにくさ、提携駐車場の有無、満車時の案内などを、サイトとGoogleビジネスプロフィールの両方に載せましょう。写真つきで、駐車場から入口までの道順を見せると、初診の方の不安が減ります。
反対に、駅や市街地に近い立地では、徒歩や公共交通機関での行き方を丁寧に案内します。立地に合わせて、案内の中心を変えるのがポイントです。
予算と外注の考え方
費用の項目を洗い出す
金額は、依頼先や内容で大きく変わるため、ここでは数字を挙げません。まずは、費用が発生しうる項目を洗い出し、優先順位をつけてください。
- Tier1に関わるもの:ドメイン、サーバー、最低限のサイト制作、メール、電話回線
- Tier2に関わるもの:撮影、ロゴ、予約システム、計測の設定、原稿の作成支援
- Tier3に関わるもの:コラム制作、ポータルへの掲載、広告、保守管理
広告については、開業直後に使うかどうかを慎重に考える必要があります。リスティング広告は、検索キーワードに連動して表示される広告で、クリックされたときに費用が発生します。費用は業種・地域・競合で大きく変わるため、一般的な目安を鵜呑みにせず、自院の予算に合うかを確認してください。判断の考え方は歯科のリスティング広告は自費診療に向くか|費用の目安と判断基準で整理しています。なお、広告のリンク先ページは、広告可能事項の範囲で構成する必要があります。
内製できること/外注した方がよいことの判断基準
すべてを外注する必要も、すべてを自分で行う必要もありません。次の基準で分けてみてください。
- 内製に向くもの:院長にしか書けない診療方針、院内の様子の日常的な撮影、診療時間変更のお知らせ、口コミへの返信など。
- 外注に向くもの:サイトの設計と構築、スマホ表示の調整、計測設定、サーバーやセキュリティの管理、プロによる撮影、医療広告の形式面のチェックなど。
- 判断の軸:(1)専門知識が必要か、(2)間違えたときの影響が大きいか、(3)継続して時間を割けるか。この3つで考えると整理しやすくなります。
外注するときは、見積の内訳、公開後の保守の範囲、ドメイン・サーバーの名義、納品物の権利などを、契約前に確認してください。分からない点は遠慮せずに質問し、書面で残しておくと安心です。
開業前のWeb準備でよくある失敗
ここで挙げるのは、特定の医院の話ではなく、開業準備で起こりうる一般的な失敗のパターンです。
情報が決まらずに止まるパターン
- 院名が決まらず手戻りになる:ロゴ、ドメイン、看板、サイトをやり直すことになります。仮称で進める範囲と、確定を待つ範囲を分けておきましょう。
- 診療時間が決まらず、公開が遅れる:スタッフの採用状況で決まらないことがあります。「予定」として載せ、確定後に更新する運用も検討します。
- 電話番号が未開通のまま印刷物を作る:番号の変更で、刷り直しになります。
時間が足りなくなるパターン
- 写真が間に合わない:内装工事の遅れで撮影日がずれ、サイトの公開も遅れます。完成前に準備できる素材を先に使いましょう。
- サイトが開業日に間に合わず、検索に出てこない:公開から検索結果に反映されるまでには、時間がかかることがあります。ティザーサイトで先に存在を知らせておくと、リスクを減らせます。
- Googleビジネスプロフィールの確認が遅れる:オーナー確認に日数がかかり、開業日に情報が出ないことがあります。
運用で起こるパターン
- 表記ゆれが放置される:媒体ごとに電話番号や診療時間が違い、患者さんが混乱します。
- 公開日にまとめて確認し、見落とす:HP公開、SNS開始、内覧会告知が同じ週に重なり、医療広告の確認が甘くなります。
- 管理情報が把握できていない:ドメインやGoogleアカウントの名義が不明で、変更や引き継ぎができなくなります。
よくある質問
Q. Webの準備は、本当に開業6か月前から必要ですか?
目安としてお伝えしていますが、6か月前でなければならないわけではありません。ただし、院名の確認、ドメインの取得、Googleビジネスプロフィールの手続きなど、日数がかかるものがあります。時間が限られている場合は、Tier1の項目から着手してください。
Q. 本格的なサイトを作る前に、ティザーサイトだけ公開してもよいですか?
はい、考え方としては有効です。先にURLを持てるため、各種の登録や印刷物に使えます。ただし、ティザーサイトも医療広告にあたりうるため、載せる内容は広告可能事項の範囲におさめ、最終的な可否は所管の窓口で確認してください。
Q. 内覧会のチラシに、割引やプレゼントを載せてもよいですか?
媒体によって扱いが異なるため、一概には言えません。なお、キャンペーンの告知や、医療と直接関係ないプレゼントでの誘引は、品位を損ねる内容と判断される例があります。実施前に、所管の保健所・自治体窓口へご確認ください。
Q. 口コミは、開院後すぐに集めたほうがよいですか?
口コミは、患者さんが自発的に書くものです。集めることを目的にして、強要したり、内容を指定したりすることは避けてください。まずは診療と案内の質を整え、依頼する場合も、強制にならない形にします。
Q. 制作会社に、どこまで任せられますか?
設計、構築、計測設定、形式面のチェックなどは任せられます。一方、診療内容や効果の説明が正確かどうかの判断は、医療機関側の責任です。原稿の最終確認は、院長が行う前提で進めてください。
まとめ|順番を決めれば、開業準備と並行して進められます
開業前のWeb準備で大切なのは、全部を一度にやることではなく、「決まったものから順に、枠を埋めていく」ことです。時期は目安なので、ご自身のスケジュールに合わせて読み替えてください。
今日やること
- 院名の候補を、検索とGoogleマップで確認する
- ドメインの取得可否を調べる
- この記事のTier1を、自分のスケジュール表に書き写す
今週中にやること
- ドメインと医院用メールを確保し、名義とログイン情報の保管場所を決める
- 診療コンセプトと来てほしい患者層を、数行で書く
- 電話番号の開通予定日を確認する
今月中にやること
- サイトのページ構成案と、撮影の仮日程を決める
- 「院名・住所・電話番号・診療時間」の統一表を作る
- Googleビジネスプロフィールの登録に向けて、オーナー確認ができる住所を確認する
- ティザーサイトを公開するかどうかを決める
関連コラム
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- インプラント・矯正・ホワイトニングの自費ページが読まれない理由|料金・症例・説明の見せ方
医療広告に関わる表現の最終的な可否は、貴院で最新のガイドラインと所管の保健所・自治体窓口にご確認ください。本記事は一般的な情報の整理であり、個別の適否を保証するものではありません。
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「開業準備でWebまで手が回らない」「何から始めればよいか整理したい」といったご相談も、即日対応で承ります。
医療広告等ガイドラインの確認を前提に、貴院の現状を拝見したうえで、優先順位をつけてご提案します。まずは歯科サイト制作・マーケティング支援のページ、またはお問い合わせフォーム(お電話:050-3708-0206)からお気軽にご相談ください。

